観るたびに新しい発見がある本作。
今回は個人的に見所と思ったシーンについて書かせていただきます。
多分、映画を観ないと理解できない内容だと思います…ご容赦を。
◆つい失念してしまう。
ギルベルトの兄、ディートフリートのセリフですが…
ヴァイオレットにとっても戦争の傷は心の中に残ったままなんでしょうね。
だから、おそらくは無意識に、ああいう行動に出てしまった。
なんかもう切なすぎて…数回目に観た時に泣きました。火傷は健在なのか…
◆結局のところ、あいつは俺の弟だからな。
こちらもディートフリートのセリフ。
この時のディートフリートは、おそらく死んでいるであろうギルベルトに
対する想いを素直な気持ちでヴァイオレットに吐露しています。
このシーンのあと、ヴァイオレットがユリス少年の依頼で弟宛の手紙を
書く場面に切り替わるのですが…その時のセリフがかなり重い。
弟が生まれた時は嬉しかった。
焼きたてのパンみたいに、温かくてふかふかで。でも…
その先を言い淀むユリスの言葉を引き取ったヴァイオレット。
多分、その時の言葉はディートフリートから発せられたんだと思います。
伏せた目線や、直後に大写しになるリボンから何となく察せられました。
落としたリボンがああいう意味を持つ、かもしれない…とは思わなんだ…
本作のディートフリートはテレビシリーズの印象とはまるで違っていて、
ヴァイオレットに向ける優しい視線と微笑みが印象的でした。
ヴァイオレットを1人の人間として認めているのがよく分かりました。
かつては「ただの闘う道具」と罵っていたんですけどね…
終盤の「麻袋に詰め込んで」発言には心の中で拍手喝采!!!
結局、ディートフリート兄ちゃんは優しい心根の持ち主なんだろうな。
最後の「簡単には素直になれない」「行けよ」はその最たるものかと。
ディートフリート兄ちゃん…あなたも幸せになってね。
◆わかっただけ?
ユリス少年のセリフですが…この時のヴァイオレットの様子が印象的で。
本当は「わかっただけ」ではなくもっと深い気持ちが潜んでいて
目を伏せ、閉じ、更に俯いて涙をこらえるヴァイオレットの様子が
とても印象的でした。
ユリス少年もそれ以上は突っ込まなかったんですよね…優しい子だな。
◆生きていたんだ…良かった…
こちらもユリス少年のセリフ。
ヴァイオレットに「愛してる」を教えた人物の生存を知ったユリスが
自身の寿命が尽きようとしている時にヴァイオレットのために喜んでいる。
もう泣くしかないでしょ。。。
◆大馬鹿野郎~~~~~~~~~~~~~~!!!!!
ギルベルトに向けてホッジンズが放った怒号。
(ギルベルト)少佐は後悔していらっしゃるのですね
私の存在が…私が、少佐を苦しめているのですね
ヴァイオレットの言葉に沈黙したままのギルベルトに対する苛立ち。
ホント、ホッジンズ社長…すっかりお父さんになっちゃいましたなぁ。。。
ギルベルトの心情を考えると決して大馬鹿野郎とは言い切れないのですが
ヴァイオレットを悲しませたという意味では適切な言葉かな。。。
グズグズ言って覚悟を決めない親友への苛立ちもあるかもだけど^^;
(余談ですが、ヴァイオレットとホッジンズは最短でも3日かかる旅程を経て
ギルベルトを訪ねています…)
◆
ここまで登場人物のセリフに対して思ったことを書かせてもらいました。
本当は取り上げたいセリフがもっとたくさんありますがキリがないので。
冒頭の「それゆえ、私は称えられるべき人間ではありません」も泣けるし。
気を取り直して…
さりげなく映り込んでいるようなシーンについてチョイ書き。
◆博物館
アン・マグノリアの孫であるデイジーが生きている時代、
郵便社は国の事業となり、C・H郵便社の社屋は郵便事業の歴史を伝える
博物館となっています。
この場所の社長室に注目。ちょっと暗いけど。
かつてヴァイオレットに選ばれず、ホッジンズが自分の机に置いていた
ぬいぐるみがちゃんと残っているんです。
ヴァイオレットが土足で上がっていたソファもちゃんとありました。
そして…郵便社員の集合写真には外伝の後半主人公・テイラーの姿も!
博物館のガイドとして登場する女性について舞台挨拶でネタバレされて
いますが、彼女は元郵便社員でエンドクレジットで名前が出てきます。
余談ですがデイジーに声を掛けられる直前に居眠りしていたという(笑)
細かいわ。。。
◆エカルテ島
こちらもデイジーの時代における様子ですが…
ヴァイオレットが髪に結んでいた赤いリボンが2ヶ所出てきます。
(うち1ヶ所は舞台挨拶でTRUEさんが触れておられたと思う…)
チラッと出てくるぶどう畑にもギルベルトが設置したと思しきリフトが!
2人の息遣いを未来のエカルテ島に感じることができる印象的なシーン。
じんときました。
◆2通の手紙
※最初に投稿した内容はやや意味不明だったので編集しました(10/10)
1通はユリス少年が両親に宛てたもの(ヴァイオレットが代筆)、
もう1通はヴァイオレットがギルベルトに宛てたもの。
どちらも便箋の下部分がチラリと映りますが…もしかして同じむすび?
ちなみにユリス少年の手紙の結びは「大好きだよ」でしたが
ヴァイオレットの手紙は…その部分が読み上げられていません。
(と、舞台挨拶で監督さんが言っておられました)
ヴァイオレットの手紙の中に「『愛してる』を伝えたいと思いました」
とあるので、絶対に書かれているはず。
ということは…読まれなかった部分に書かれていたのは「大好きだよ」?
いや、バイオレットはとても規律正しい性格なので
かつての上官であり敬愛する相手に対して砕けた表現をしないはず。
だけど…似ているんだよな~--;
ちょっと蛇足ですが、ユリス少年は手紙を代筆してもらった際、
途中から一人称が「俺」から「ぼく」に変わっています。
でもって、手紙の文章は全て「ぼく」になっているんですよね…
「私」や「俺」は日本語こそ多彩だけど、英語では「I」一択。
もしそういう感覚(言語の違いによる解釈)で読んでも良いとしたら、
「大好きだよ」=「愛しています」でいいのかな?
監督の答え合わせを求む!!!
◆
まだまだ語りつくせないのでPart.3まで行っちゃう可能性はありますが
今回はこの辺で。
あ。
エンドロールは最後までちゃんと観てくださいね!
ヴァイオレットは代筆業を通して多くのことを学びましたが
ラストのシーンはその集大成と言ってもいいかも…と思いましたので。
左手と言うところがこれまた意味深だし。
まあ…ギルベルトは右腕がないからね?というのもあるけどさ。
…というか…入場者プレゼントにも触れられているけどさ。。。(ボソリ)
さて…次はいつ観に行こうかしらね。←あと数回は確実に観る…多分。
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
10/10追記。
現在、劇場版の冒頭10分間がYouTubeにて公開されています。
作品HPからご覧になったほうが早いかな…興味のある方は是非^^